投資信託セレクション NISA特別版

 

5つのポイントで読み解く NISA基礎知識 これがNISAだ!
「ポイント1」1人1口座に限る
Q.01「NISAを利用できるのは?」A.「国内に住む20歳以上」 Q.02「口座開設で用意する書類は?」A.「住民票の写しなど」

 NISA(少額投資非課税制度)は従来の口座とは別扱いで、銀行や証券会社などで一般口座や特定口座を持っている人も、新たに口座開設の手続きをする必要がある。NISAは1人1口座に限られる。口座が複数の金融機関にまたがって設けられないようにするため、利用者は金融機関を通じて税務署に非課税適用申請書を提出し、それを税務署が確認後、口座は開設される。住民票の写しなどはその際に必要となる。2017年までにNISA口座を開設する場合、住民票の写しは13年1月1日時点の住所が記載されたもので、引っ越した場合は住民票の除票の写しを用意する。口座開設ができるのは23年まで。

 1人1口座なので、世帯主だけでなく、妻(夫)や、成人になった子どもも口座を開くことができる。NISAは1年で1人当たり120万円、累積で最大600万円までの投資が可能だが、妻(夫)や子どもの分、19歳以下の子どものジュニアNISAを含めれば、世帯全体で非課税枠を有効に活用した資産運用が可能となる。

「ポイント2」金融機関を選ぶ基準は
Q.03「口座を開設できる金融機関は?」A.銀行や証券会社など Q.04「どんな投資商品が買えるの?」A.「上場株式や公募株式投信」 Q.05「金融機関は変更できる?」A.「1年ごとに変更できる」

 金融機関によって投資できる金融商品の種類が異なるため、金融機関選びは重要だ。どんな運用を考えているかによって、選ぶ基準は変わってくる。

 NISAで投資できるのは上場株式と公募株式投信。株価指数連動型上場投信(ETF)や不動産投信(REIT)も買える。新たに株・投信を買い付けることを前提としているため、一般口座や特定口座で保有している商品をNISA口座に移管することはできない。投資信託は金融機関によって品ぞろえが大きく異なるので、投資したい商品があるなら、どの金融機関で買えるのか前もって調べておきたい。

 NISA口座を開く金融機関は、1年ごとに変えられる。金融機関を変更した場合、以前のNISA口座で購入した商品は新たな口座に移管できず、売却するまで旧口座で保有し続けることになるが、口座開設時点から最長5年間は配当や分配金、譲渡益が非課税となるのはこれまでと同じだ。

「ポイント3」繰り越し使えば10年に
Q.06「非課税になる投資額と期間は?」A.「年120万円を上限に5年間」 Q.07「未利用の非課税枠は翌年以降使える?」A.「使えない」

 「NISAは年120万円までの投資が5年間、計600万円が非課税になる」とされる。この意味は、例えば16年に120万円を投資し、17年、18年、19年、20年と続けていくと、20年に投資枠は600万円になるということだ。16年に投資した120万円は20年末に非課税の期限が切れる。期間中に売却しなかった場合、この後はどうなるのか。

 2通りの選択がある。1つは一般口座や特定口座に移す方法。株式や投信は時価で移管される。この時点の値上がり益に税金はかからないが、それ以降の値上がり益や配当、分配金は課税対象になる。もう1つは21年分の非課税枠を使って、そのまま継続保有する方法。23年まで制度を利用できる。この繰り越しの仕組みを使うと、NISAが始まった14年を起点とすれば、最大10年間の運用が可能になる。NISAは「非課税期間5年」といわれる一方、「実質10年運用できる」という説明があるのはこのため。

 年間の投資額が120万円を下回っても、残った枠を翌年以降に持ち越せない。非課税限度額をフルに活用したいと思うなら、計画的な投資を心がけよう。

NISAを利用した投資のイメージ
「ポイント4」短期売却は枠が減る
Q.08「途中売却はできる?」A.「できるが、非課税枠は減る」

 株価や為替レートは日々刻々と変わる。相場動向を見ながら、購入した商品をタイミングよく売りたいという人もいるだろう。通常の証券口座と同様、NISA口座で投資した株式や投信は非課税期間中にいつでも売ることができる。

 例えば、投信に50万円投資し、55万円に値上がりしたとする。その時点で売ると、5万円の利益となる。NISAは非課税なので、譲渡益に税金はかからない。NISAを利用した意味はあったといえるが、売却しても当初に投資した50万円分の非課税枠は再利用できない。少しの値上がりであわてて売ってしまうより、最長5年の非課税期間を最大限活用し、より大きく成長するのをじっくり待つ方が、NISAの使い方としては賢明だろう。

 短期の売却を繰り返すと、非課税メリットはどんどん失われていく。NISAの基本は長期投資ということを覚えておきたい。

「ポイント5」利益は非課税 損失に注意
Q.09「そもそも何が非課税になる?」A.「譲渡益と配当にかかる税金」 Q.10「損失を出したら、通常の口座と合算できる?」A.「できない」

 銀行や証券会社などの一般口座および特定口座では、株式の譲渡益および配当、公募投信の解約・償還益と普通分配金に20.315%の税率が適用されている(16年4月現在)。NISAはこの20.315%の税がかからないので、非課税メリットは大きい。

 ただ、非課税期間の終了後に損失を抱えた状態だと、非課税メリットは失われる。損失にはもともと税金がかからないためだ。一般口座や特定口座では、損失を有効に活用できる場合がある。値上がりしている商品を他に持っていれば、損失と利益を通算して課税を抑えられる。配当とも合算でき、配当にかかる税金を減らせる。

 これと比べて、NISAはもともと譲渡益や配当に税金がかからないので、損益を通算する意味がない。NISA口座で出した損失を、通常の口座の利益と通算することはできない。

ジュニアNISAってどんな制度?

 20歳以上の成人が利用するNISAとは対照的に、0歳から19歳の未成年者を対象とするのがジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)。年間の非課税投資枠は1人当たり80万円で、NISAと同様に最長5年間運用できる。投資できる金融商品もNISAと同じ。商品を売却した後に非課税枠を再利用できないこと、非課税枠を翌年に繰り越せないこと、一般口座や特定口座との損益通算ができないことなども共通している。

 ジュニアNISAの最大の特徴が、口座名義人が18歳になるまで原則として払い出しができないこと。災害等のやむを得ない場合を除き、途中でジュニアNISA口座から払い出しを行うと、それまでの運用益に対して、一般口座や特定口座と同じ税金(20.315%)が課せられてしまう。そのため、例えば大学の学費のように、子どもが18歳になるまで使わない資金で運用するのが肝要だ。

 ジュニアNISA口座を開設する際には住民票ではなく、口座名義人のマイナンバーの提出が必要な点は注意したい。ジュニアNISAでは金融機関の変更ができないので、口座の開設先は慎重に選ぶ必要がある。

5年間運用した株式や投信はどこに行くの?

 ジュニアNISA口座での運用で得た配当や分配金、売却したときの譲渡益は、自動的に「課税ジュニアNISA口座」という特定口座に移管される。運用開始から5年が経過した株式や投信などは、時価80万円を上限に、翌年の非課税投資枠に繰り越すことができる(ロールオーバー)。5年経過後に80万円を超えた分や、ロールオーバーを行わなかった分は課税ジュニアNISA口座に移管され、移管後の運用益は課税対象となる。

 ジュニアNISAもNISAと同じく、23年で口座開設期間が終了する予定だ(16年4月現在)。23年末時点で口座名義人が20歳未満の場合、ジュニアNISAで運用していた商品は、1年につき時価80万円を上限として「継続管理勘定」という口座に移管され、20歳になるまで非課税で運用できる。

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