がん保険

さらなる安心のために!
多様化する「がん保険」――知っておくべきことは? 選択のポイントは?

第13回 モデルケースで検証する、がん治療費とその備え方

がんの治療費は高額だと聞きますが、具体的にどのようにかかるのですか? また十分な備えをするにはどうすればよいでしょうか?

がんの治療費といっても、病状は一人一人異なりますし、体力や回復力なども個人差がありさまざまです。今回は、すべてに当てはまるわけではありませんが、一つの事例をもとに治療費のかかり方をイメージし、どのような準備をしておけばよいかを考えてみます。

胃がんで手術を受けて14日間入院をし、その後、自宅療養をしながら抗がん剤治療を続けたケースを取り上げます。数字はすべて医療費の自己負担のみで、食事療養費などの実費は含まれていません。

  病院支払い 薬局支払い 高額療養費
手術をした月 約13万円
(14日入院)
  所得区分一般で
約4万8,000円の還付
1カ月後 2,760円 2,760円 該当せず
2カ月後 31,630円
(1日入院)
25,140円 該当せず
3カ月後 620円 26,290円 該当せず
4カ月後 17,440円 3,870円 該当せず
5カ月後 28,680円 8,710円 該当せず
6カ月後 28,730円 5,950円 該当せず
7カ月後 30,240円 1,870円 該当せず
NPO法人ささえあい医療人権センターコムル会報誌No.247より作成
http://www.coml.gr.jp/

上記の事例では7カ月間で約31万円の自己負担が発生しています。高額療養費に該当するのは手術をした月のみで、その後は3万円を超える負担をしなくてはならない月も珍しくありません。病状によってはさらに複数の薬を併用することもあり、重い負担が長く続く可能性があります。

また、慢性骨髄性白血病の患者さんは分子標的薬グリペックを生涯飲み続けなくてはならず、高額療養費には該当しない1カ月5万円程度の継続的支出を余儀なくされる方が多くいらっしゃいます。医学の進歩により、病気と向き合いながらも平均余命を全うできる時代になるのは喜ばしいことですが、高額な治療費が家計に重くのしかかります。

このような治療費負担に備えるには、収入の確保が最も力強い"保険"になります。できれば、職場の理解を得て、治療をしながら仕事を継続していけるのが望ましいと思います。保険加入を検討する際には、医療保険ではなくがん保険に絞ったほうがよいでしょう。入院日数に対する給付が中心の医療保険では、外来で行われる治療費には備えられません。がん保険であればまとまった診断一時金が受け取れますから、それを退院後の治療費に充てられます。

がん保険によっては、抗がん剤や放射線などの治療のための通院も保障対象とするものがあります。通算の支払い限度はありますが、家計の支えにはなります。治療にエネルギーを取られることが予想されますから、通院の度に請求する煩わしさを回避するため、決まった金額が毎年受け取れる年金式タイプにする方法もあります。家族がいるのかいないのか、仕事がどうなるのかなど、それぞれの事情に合った保険選びを心がけましょう。

また、給付金を受け取った後も支払いが続く保険の場合、治療をしながらも続けられる程度の保険料にしておくことです。何にでも使える貯蓄は支払い限度もありません。保険だけでなく貯蓄と組み合わせて準備しておくことが十分な危機管理のために重要なポイントです。

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