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その男、グランドセイコー「新たな価値を創造するイノベーターたち」

Vol.04 Naohito Fujiki 俳優 藤木 直人 氏

極限まで無駄を落とした機能美に強く引かれます

「世界最高峰の腕時計をつくる」を合言葉に1960年に誕生し、伝統に革新を積み重ねて国内外で高い評価を受けてきたグランドセイコー。2017年、そのグランドセイコーがグローバルブランドとして、さらなる高みを目指し、新たな挑戦に踏み出す。そんな思いとも重なる4名のイノベーターを招いて話を聞くインタビュー企画「新たな価値を創造するイノベーターたち」。第4回のゲストは俳優の藤木直人さんだ。

俳優、ミュージシャン、ラジオのパーソナリティーなど様々な顔を使い分けマルチに活躍する藤木さん。その軽妙なトークと立ち居振る舞いで世を魅了する円熟の二枚目俳優に、表現者としての思い、理系出身者ならではの美意識などについて話を聞いた。

藤木 直人 氏

肩書きを自ら書き換えていく努力

端正なマスクに、モデルのようなスタイル。俗に言う「イケメン俳優」として確固たる地位と人気を確立している藤木直人さん。近年は蜷川幸雄さん演出の舞台でワールドツアーを経験。2018年のNHK大河ドラマにも出演が決定するなど、演技派としての評価を着実に高めている。

「イケメンかどうかという価値観は人それぞれ。45歳になっても、肩書きがイケメン俳優っていうのもどうなのかなという思いもあります。それを書き換えられていないとしたら、自分の努力が足りないんだと思います」

ミュージシャンとしてライブ活動も積極的に行い、バラエティー番組のMCなども務める藤木さんだが、本業は俳優と断言する。

「僕は自分の主戦場はテレビの連続ドラマだと思っています。ミュージシャンとしてはデビューして18年になりますが、音楽活動は今はどちらかといえばパーソナル面が強いかなと思っています。もちろん支持してくださるファンの皆さんのためでもありますが、ある意味では自分の趣味の延長という面もある。これからもやはりテレビドラマは頑張っていきたいですね」

脚本の行間を読むことに悪戦苦闘する役者

藤木さんが出演した蜷川幸雄氏演出の舞台『海辺のカフカ』(2014年)

藤木さんが出演した蜷川幸雄氏演出の舞台『海辺のカフカ』(2014年)。村上春樹氏原作の小説を蜷川氏が演出し、話題を集めた。2015年には蜷川氏生誕80周年を記念し、ロンドン、ニューヨーク、シンガポール、ソウルなど海外でも公演が行われた。

撮影:渡部孝弘、提供:ホリプロ

役者としての自らの立ち位置を「カジュアルでフランク」と、やや自嘲気味に評する藤木さん。だが、それは高い美意識を持つゆえの謙遜にすぎない。

「例えば歌舞伎の世界なら、400年を超える伝統と役者としての宿命を生まれた瞬間に背負うという重圧があります。歌舞伎役者には絶え間ない高度な鍛錬を続けてきた人だけが持つ本物の美しさがある。自分など、かなうわけがありません。それに比べると、お芝居は美しい人や主役だけのものではない。様々な役柄が求められます。僕は理系出身の理屈っぽい人間ですから、脚本の行間を読むことに毎回悪戦苦闘します。でも世の中には、そんな俳優を面白いと思ってくださる方がいるかもしれない(笑)。
だからこそ、自分のような人間が20年以上も、この仕事を続けることができた。僕のスタンスは、あくまでカジュアルです。本当の美しさとは、僕の対極にあるものではないでしょうか(笑)」

藤木 直人 氏

明るく軽やかにロジックを楽しむ

藤木さんには意外な顔がもう一つある。撮影中の待ち時間などに、数字パズルの数独(すうどく)やルービックキューブなどに集中することが多いのだとか。

「クイズとかパズルって、みんな好きじゃないですか(笑)。特に数独はシンプルで美しい。1から9までの数字が重複することなく1列に並び、正方形の9マスにも埋まる。どこかに必ずヒントがあるというロジックも、とてもよくできている。ドリルのように1つ解けたら次のページへ進むというルーティーンから抜け出せなくなってしまいます」

大学で情報工学を学んだ理系出身者らしく、ロジック好きで知的な一面を持つ藤木さん。とはいえ、そのマインドは明るく軽やかだ。

「僕が小学生の頃はルービックキューブが日本中で大ブームでした。その頃は1面をそろえるのがやっと。偶然、2面、3面とそろえられたとしても、6面なんて絶対に無理だった。それが大人になって6面をそろえる手順があることを知りました。自力でパズルを解いているわけではありません。その手順さえ覚えれば誰にでもそろえられる。子供の頃できなかったことが、できるようになる。それがただ素直にうれしいんです」

全ての所作とたたずまいが美しい

藤木さんは俳優のほか、ミュージシャンとしても活動

藤木さんは俳優のほか、ミュージシャンとしても活動、今年はデビューして18年になる。11月には香港、台北、12月には上海でのアジアライブツアーを開催

ルービックキューブや数独などより、はるかに高度で緻密でダイナミック。そんな仕事ぶりをプロ野球という分野で独自の手順により、こともなげに実現している存在、それがイチロー選手だ。藤木さんは、そのたたずまいや所作にある種の美しさを感じるという。

「圧倒的な実力差がある選手だと思います。最高の選手ばかりがそろっているプロの世界でも、ここまで抜きん出た選手は過去にも現在にも存在しないんじゃないでしょうか。その才能に、すっかり惚れ込んでしまいました。ただ打つだけでなく、走れるし守れる。その動作が、いちいちカッコイイですね」

日本人としての本質は崩さない

藤木さんの審美眼は、無駄を徹底的にそぎ落とし、パフォーマンスを高めることだけに徹した機能美に強く反応する。

「1990年代の初めの頃、モータースポーツの世界選手権のレースをよく観ていました。空力などを含めて自動車としての速さを極限まで追求していくと、こんなにも美しいものになるのかと感動しました。イチロー選手にも、それと通じるところがある。効率を高めて動作を突き詰めていくと、もうこれしかないという美しい形に洗練されていく。無駄なものが一切ない。そこがイチロー選手の好きな所です。もちろん、とてつもない努力を続けている方です。禅問答のような境地にまで達していますよね(笑)。次元が違います」

そんなイチロー選手に、藤木さんは日本人としての本質をみいだしている。

「真面目で勤勉という日本人の特性を強く感じる。日本人としての本質は決して崩さない選手ですよね」

守りの姿勢だけでは成長しない

「俳優の仕事を始めたのが23歳の時。周囲と比べると相当遅い。演技のことを知らず、華やかな世界への憧れだけで飛び込んでしまった。いまだに役者として足りないものが、たくさんあると思います。だから、参加させていただく全ての仕事が試行錯誤の連続。常に手探り状態です(笑)。ドラマの収録などでNGを出してしまうことは少ない方だと思います。でも、少ないのも考えものだと思っているんです。NGを出したくないという守りの姿勢だけでは成長しない。失敗したっていいから、思い切って自分らしい演技を出し切りたい。でも、やっぱりNGを出して迷惑もかけたくない(笑)。その葛藤が常にありますね」

最後に、表現者としての葛藤を赤裸々に語ってくれた藤木さん。俳優の仕事や作品に対しての姿勢は間違いなく前のめりだ。

「僕にとっては一つひとつの作品が挑戦です。劇団で鍛えられたわけでもない自分には、どこかアマチュアな部分がある。今でも新たな役をいただく度に、自分にはできるかなという不安がよぎる。でも俳優という職業は毎回新しい役にチャレンジし続けること。人の心を動かすことができるかもしれない素晴らしい仕事だからこそ、その可能性は常に貪欲に探っていきたいと思っています」

藤木直人氏 着用モデル グランドセイコー メカニカルハイビート36000GMT SBGJ203

「このグランドセイコーの時計はデザインに無駄がなく、プロダクトとして、とても美しい。スタイリッシュでカッコイイですね」

藤木直人氏 着用モデル
グランドセイコー メカニカルハイビート36000GMT SBGJ203

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藤木 直人 氏

Profile

藤木 直人 (ふじき なおひと)

1972年7月19日生まれ。千葉県出身。早稲田大学理工学部情報工学科卒。在学中に映画『花より男子』の花沢類役に抜てきされ、1995年にデビュー。NHK朝の連続テレビ小説『あすか』、『ナースのお仕事』(フジテレビ)シリーズなどで注目を集め、その後も『ホタルノヒカリ』シリーズ(日本テレビ)、『ラスト♡シンデレラ』(フジテレビ)、『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS)、『嘘の戦争』(フジテレビ)など話題作に多数出演。2018年はNHK大河ドラマ『西郷どん』、フジテレビ系火曜21時『FINAL CUT』に出演予定。舞台では蜷川幸雄演出の『海辺のカフカ』に出演、蜷川氏の遺作となった『尺には尺を』では主演を務める。

並行して音楽活動も行なっており、1999年にCDデビュー後、2006年、2007年には2年連続で日本武道館での単独ライブを行う。今年11月に香港、台北、そして12月には上海でのアジアライブツアーが控えている。

オフィシャルサイト https://www.fbi-web.jp

スーツ、タイ、シューズ/すべてURBAN RESEARCH DOORS(URBAN RESEARCH DOORS ららぽーと豊洲店 03-6910-1219)その他スタイリスト私物
数独は株式会社ニコリの登録商標です
ルービックキューブは株式会社メガハウスの登録商標です

グランドセイコー 革新の歴史 4つのストーリー

2017年に独立ブランドとなった「グランドセイコー」は、
これまでも世界最高峰の腕時計になるべく前例のない革新を遂げてきた。
その挑戦の歴史を「4つのストーリー」からひも解いていく。

Vol. 04【精度】時計技術者の意地と信念がうみだした高精度時計

「グランドセイコー 61GS V.F.A.」(1972年)自動巻メカニカル ※現在は生産終了

「グランドセイコー 61GS V.F.A.」(1972年)
自動巻メカニカル ※現在は生産終了

時計の正確性を意味する「精度」が保たれているのは、数多くのパーツが寸分の誤差もなく動いている証拠。そのため機械式時計では、高精度であることが、すなわち高品質の証明となる。現在のグランドセイコーでは、新GS規格という精度基準を設けているが、これはスイスのクロノメーター規格よりも厳しく、平均日差を、-3~+5秒の間に収めるというハイレベルなものだ。

グランドセイコーには、超高精度ムーブメントを作ってきた歴史がある。

1960年代、スイス時計業界では時計技術を競い合うために、天文台が精度コンクールを主宰していた。セイコーも1964年から参加しており、スイス勢と互角以上の戦いを繰り広げていた。ここに持ち込む時計は、市販とは異なる素材や技術を盛り込んでおり、いうなればレーシングカーのような特別品なのだが、そこで得たノウハウを量産モデルへと展開させたのが、1969年に完成したグランドセイコー「V.F.A.(Very Fine Adjusted)」である。これは組み上げたムーブメントの中でも特に優秀な個体に対して、スイスの精度コンクールに参加していた凄腕技術者が徹底的に調整するというもの。その誤差は、当時機械式腕時計では前例のない月差±1分以内に収まるレベルを誇っていた。72年には、小型で製作難易度が高い女性用V.F.A.モデルやデイデイト表示を備えるV.F.A.モデルの開発にも成功している。

「グランドセイコー SBGJ203」(2017年)自動巻メカニカル ハイビート36000GMT 670,000 円(税別)

「グランドセイコー SBGJ203」(2017年)
自動巻メカニカル ハイビート36000GMT 670,000 円(税別)

この精度追求の伝統は、現在のハイビートムーブメントへと受け継がれている。機械式ムーブメントは、テンプの振動が高振動であるほど、外的影響を受けにくくなる。そこで動力ゼンマイを素材から開発してトルクを高め、さらに独自のひげぜんまいを採用して耐衝撃性能や耐磁性を向上。さらに、「MEMS」という半導体製造の技術を応用することでパーツを軽量化し、エネルギーロスを減らして毎時36,000振動する高性能ムーブメントを作り上げた。

このハイビートムーブメントにGMT針を加えた「SBGJ203」は、グランドセイコーが追求し続けた高精度技術を受け継いだ正統派であり、その信念を実感できるモデルになっている。

文 篠田哲生

「世界の審美眼を挑戦する。グランドセイコー」 セイコーウオッチ株式会社

【時計に関するお問い合わせ】グランドセイコー専用ダイヤル
フリーダイヤル 0120−302−617
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