公益社団法人 日本証券アナリスト協会
丸の内キャリア塾

私のキャリアは私が創る!証券アナリスト資格(CMA)で拡がる可能性

日本証券アナリスト協会検定会員(証券アナリスト、CMA)とは、金融・資本市場のプロフェッショナルであることを日本証券アナリスト協会が資格として認定したというもの。金融業界に限らず、さまざまな業種・職種において「女性ならではの発想」と「経営財務の視点」が求められる中で、CMAは女性にとってキャリア形成や自身のバリューアップに強力な武器となります。
CMAの専門知識やスキルの活用事例、資格取得までの流れについて紹介します。

スペシャルセミナー

キャリア形成を実現した女性CMAが語る

 金融・資本市場のプロである証券アナリスト資格(CMA)者は、証券会社や資産運用会社にとどまらず、一般企業でも活躍の場を拡げています。2018年3月12日に東京都内で開催されたスペシャルセミナーでは、人生を自ら切り拓くためのヒントと、さまざまなジャンルで躍動するためのCMA資格の役立て方が語られました。

スペシャルセミナー

セミナー当日の動画は、
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日経チャンネル

基調講演

自分の人生、自分で切り拓こう

G&S Global Advisors 代表取締役社長 橘・フクシマ・咲江氏

基調講演

自分の人生、自分で切り拓こう

G&S Global Advisors 代表取締役社長 橘・フクシマ・咲江氏

内に秘めた自分の信念は譲らず、外には柔軟に、したたかに

 私がこれまで最も長く在籍した企業はコーン・フェリー・インターナショナルで、ヘッドハンティングの仕事に20年間携わりました。1990年代の日本企業は、人をお金という価値に置き換えることを嫌っていました。しかし、人は企業の財(たから)です。金銭的価値があり、市場があり、流動性があります。最近では「人材」ではなく「人財」と表記する企業が増えてきて、うれしく思っています。
 昨今、ダイバーシティーについてもさまざまな議論がされています。国籍や性別は一つの個性に過ぎません。私は外国人とは言わず、「外国籍人財」という言葉を使っています。外国籍という一つの個性を持つ人財という意味です。一人ひとりを多様な個性を持つ個人として見ることで初めて、国籍・性別・年齢に関係なく、適材適所の育成と配置が可能になると考えています。
 こうした多様性と向き合う際、大切にしているのは「外柔内剛」の姿勢です。内に秘めた自分の信念は譲らず、外には柔軟に、したたかに対応するということです。さまざまな利害関係のある人たちをまとめて結論を出す際のしたたかさは、日本人に少し欠けている部分かもしれません。
 ほとんど就労経験がなく、英語もろくに話せなかった私は、米国で日本語を教えることにしました。その後、経営コンサルティング会社に誘われ、ビジネスの世界に足を踏み込みました。数字を分析することで仮説を立て、検証できることが非常に新鮮でした。
 スタンフォード大学経営大学院を経た後に入ったコーン・フェリー・インターナショナルでは、ヘッドハンターとして幸いにもアジアで1番の成績を収めることができました。95年に米国本社の取締役に就任し、日本法人の社長、会長も務めました。現在は自ら設立した会社を起点に、日本企業の社外取締役を中心に活動しています。

5年後、10年後に到達したい姿を思い描き、足りない部分を伸ばしていく

 時代が変わっていく中で、経済もグローバル化・多様化していきます。第一次、第二次産業革命では、機械が「肉体労働」を代替しました。そして今、AIやロボットが脳に代わって「知的労働」を担おうとしています。そうなると、人間には一体何が残るでしょうか。経済同友会では、「価値労働」こそが今後の人間の役割と提言しています。知識量を誇るだけではない、バリューを生み出す労働のことです。
 AIの進行による新産業革命の下、シェアリングエコノミーに代表される新経済体系では、個人間の取引が増え、組織を介在しない経済がどんどん成長していくことが予想されます。それに伴い、組織と個人の労使関係が変わり、勤労形態も多様化していくでしょう。個人同士のプラットフォームがベースとなる環境下で活躍するために、個人はこれまで以上にグローバルでプロフェッショナルであることが求められます。
 プロフェッショナルとは、組織を問わずに結果を出せる人と定義できます。そのためには、基礎的な知識、多様性活用能力に加えて、経営者の視点で全体を見渡せる力が必要です。なかでもB/SやP/Lといった数字を読む力は重要で、CMAの知識は有用です。また、仮説検証のトレーニングを行い、常にWhat ifの思考でシミュレーションし、最悪のシナリオに備えることも重要です。このためにはMBAのツールが役立ちます。
 社長ならどうするかというシミュレーションは起業家としてのプラスアルファになり、戦略的思考の育成にもつながります。自分が経営者の立場でなくても、常に全体のバリューチェーンを意識して仕事をするか否かで大きな差が表れます。

橘・フクシマ・咲江氏
コアスキルを持ち、
全体を俯瞰できる
プロフェッショナルな人財に
── フクシマ氏

 そして何といっても、自分で責任を持つという決意が必要です。私がヘッドハンティングの仕事をしていたとき、紹介した会社が数カ月後に売却されてしまったことがありました。私はとても責任を感じましたが、「いえ、決めたのは自分ですから」と言ってくださった方は、やはりその後、成功されています。会社や親は、責任を取ってくれません。自分の人生は自分で切り拓くということを、ぜひ頭の中に入れておいてください。
 私のようにビジネスにまったく自信がなかった人間でも、何とかこの世界でキャリアを築いてくることができました。振り返ると、やはりどんな機会も有効に活用してきたことが良かったと感じています。現在の能力を自己査定するとともに、5年後、10年後に到達したい姿を思い描き、足りない部分を伸ばしていく方法を常に意識することが重要です。
 経済の大きな変化にも対応できるキャリアを築く際、最も役に立つのはコアなスキルです。誰にも負けないスキルを持ち、全体を俯瞰(ふかん)できるプロフェッショナルな人財を目指してほしいと思います。

パネルディスカッション

私のキャリアと証券アナリスト資格(CMA)の可能性

Warisワークアゲイン事業統括 Waris Innovation Hub プロデューサー 小崎 亜依子氏/SMBC日興証券株式調査部 小売り・Eコマース担当 シニアアナリスト 金森 都氏/オムロン グローバルIR・コーポレート コミュニケーション本部 ESG担当部長 松古 樹美氏
Warisワークアゲイン事業統括 Waris Innovation Hub プロデューサー 小崎 亜依子氏/SMBC日興証券株式調査部 小売り・Eコマース担当 シニアアナリスト 金森 都氏/オムロン グローバルIR・コーポレート コミュニケーション本部 ESG担当部長 松古 樹美氏

※登壇者の肩書きはセミナー開催時点のものです

当時の勉強が自分のスキルの底上げにつながった

――これまでのキャリアパスについて教えてください。

小崎
 私は、大学で金融工学を学んだあと、運用会社に入社して4年間業務に携わりました。結婚後、パートナーの留学を機に退職し、留学先では貧困や環境問題などを学ぶ機会を得ました。その後、シンクタンクに復職し、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の研究や普及啓発活動を行ってきました。現在は、新しい働き方を作ることをミッションにしたベンチャー企業で働いています。
金森
 マーケティングを専攻した大学時代に企業を訪問する機会があり、一社一社異なる顔を持つ会社に興味を持ち、卒業後は企業を調べる仕事がしたいと思うようになりました。念願がかない、運用会社でアナリストとして仕事をはじめました。業務の中で英語の必要性を感じ、自費留学で英語を身に付けて帰国。その後、外資系の運用会社に就職しました。今は、証券会社のアナリストとして、業務に取り組んでいます。
松古
 大学卒業後にシンクタンクに就職し、証券調査の部門で仕事をしていました。米国のロースクールに派遣された時にM&A(合併・買収)や企業統治(コーポレートガバナンス)などを学び、帰国後は、系列の証券会社で事業会社にコーポレートガバナンスなどをアドバイスする業務を行っていました。グループの親会社に異動し、約4年間、企業の社会的責任(CSR)の責任者も経験しました。現在は、事業会社でESGに関する投資家を中心としたコミュニケーションを担当しています。
金森 都氏
資格取得の努力は
キャリア評価の1つに
── 金森氏

――どのようなきっかけで証券アナリスト資格を取得しましたか。勉強法についてもアドバイスしてください。

金森
 最初に入社した会社は、アナリスト資格の取得が義務付けられていました。企業調査部の中で唯一の新人だったこともあり、一日でも早く先輩方にキャッチアップするため、必死で勉強したことを覚えています。取得のモチベーションを維持するためにも、勉強は短期集中型で行うべきでしょう。
松古
 前職でも、新入社員は証券アナリスト資格の取得に必ず挑戦するというルールがありました。協会の通信教育とは別に、当時の会社が独自で作成したテキストを繰り返し復習したと思います。
小崎
 資格取得のきっかけは、皆さまと同じく運用会社の方針でした。取得を義務付けられた環境に置かれることも時には必要で、いま振り返ると、当時の勉強が自分のスキルの底上げにつながったと感じています。資格取得まで、計画的に取り組むことをお勧めします。
小崎 亜依子氏
資格の取得が
多様な働き方を後押し
── 小崎氏

金融とは違う領域でも証券アナリストの資格には価値がある

――資格の取得が、仕事の中でどのように役立ちましたか。

松古
 どのような仕事でも、少なからず資本市場と向き合っています。証券アナリスト資格を取得していることは、仕事の相手に対して安心感を与えられる材料の1つになると思います。
小崎
 私は、5年間、専業主婦を経験した後に復職しました。就職したシンクタンクの上司から、後に「証券アナリスト資格を取得していることが、採用の決め手の1つだった」という話をされ、「金融とは違う領域でも、証券アナリストの資格には価値があるんだな」と驚いたことを覚えています。
金森
 証券アナリストの試験は、合格率が50%程度と比較的難しく、勉強しなければ合格することができません。資格を取得している方にお会いする機会があると「私と同じように勉強したんだな」という思いが生まれます。今働いている証券会社の人事を見ると、証券アナリスト資格を自主的に取得した社員の努力と意欲が評価され反映されているように思います。
松古 樹美氏
事業会社の方々の
価値あるキャリアパスに
── 松古氏

――これから証券アナリスト資格を目指す方々にメッセージをお願いします。

金森
 私自身は、希望通り新卒時からアナリスト職についていますが、もし将来的に調査業務に関わりたいと思う場合、証券アナリスト資格の取得がその近道になるかもしれません。金融業界でなくともこの資格取得の努力はキャリア形成上評価されると思います。
小崎
 私の保有資格の一つに証券アナリストがあったことは、就職、離職、復職という多様な働き方を後押ししてくれたと思います。ライフイベントに左右されない働き方を実現するためにも、資格の取得を検討してみても良いかもしれません。
松古
 近年、事業会社の財務やIR(投資家向け広報)担当者などの方々の中で、証券アナリスト資格の取得を目指す方が増えているようです。資格取得を通じて事業会社の方がアナリストと“共通言語”で話せるようになるため、事業会社の方々の取得は、金融機関の方々以上に、価値あるキャリアパスにつながると思います。