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日本経済新聞電子版 N-BRAND STUDIO

コンテンツ・マーケティング・フォーラム(2017年5月開催)

コンテンツマーケティングにおけるユーザーデータの重要性

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 コンテンツマーケティングを行う上で、「リーチ(UB、PV)」「ソーシャル拡散」「SNSユーザーのエンゲージメント」などを重視する広告主は多い。

 数字が明確に可視化されるのがデジタルの特徴であり、強みだが、「数字の大きさ」が意味のあるキャンペーンを実施したことを証明できているかというとそうとは限らない。

 広告主と顧客との関係は「プロポーズ」に似ている。初対面の人をいきなりデートに誘うことはないし、その人がどんな人かを知る前に、いきなり一緒に住もうと申し込むことはない。

 広告においても、比較的検討期間が長い商材、サービスについては、「需要の喚起」「競合優位」など、広告主と顧客との「距離」によって施策の目的が変わってくる。

 日経では、広告主にとって長く付き合えるお得意様を作るための指標として、「3元素」を掲げる。1つ目の「How Deep」は、読了率、関連記事の閲読本数、ブランドリフトなどの指標だ。2つ目の「Who」は日経ID属性、3つ目の「What」はクリエイティブごとの反応だ。

 伝えたいユーザーに、どんなクリエイティブ経由で、コンテンツに接触して、最後まで読んだのかを測ることで、ブランドと顧客の距離を確認できる。

 日経IDには登録情報として、職種、従業員規模などビジネス属性が設定されている。かつ、これらはすべてユーザーが自ら登録した属性で、一般的な類推属性に比べ精度が格段に高い。

 この信頼できる登録属性と閲読記事をもとに、精度の高いペルソナ像を作成していくことがる。そして、広告主サイトにおける各ペルソナの「オーディエンス・マッチ」率を可視化するのが「日経オーディエンスディスカバリー」だ。

 ペルソナごとに、広告主サイトの情報に対する興味の濃淡が可視化されるため、ターゲットやメッセージの改善に繋げていくことが可能だ。

 「日経オーディエンスディスカバリー」を行うには、日経が発行するDMPタグを広告主サイトに設置するか、広告主が利用するDMPサービスとデータ連携する必要がある。

 データ連携により、日経電子版と広告主サイトの双方を訪れるユーザーを捕捉、その人がどんな人かを日経IDから調べることができる。例えば、キャンペーン前後に計測して、キャンペーンを通じてどれだけ送客できたかを確認したり、広告主サイトの来訪者における日経ID保有者の属性を明らかにすることで、さらに踏み込んだ広告配信、効果測定などの次の施策につなげることが可能になる。

 さらに、両サイトの重複ユーザーをDMPの類推機能を使って拡張しする、いわゆる「オーディエンス拡張」にもつなげていける。興味のありそうな人から優先的にメッセージを届けることで効率的にリーチを拡大することが可能だ。日経IDのオーディエンス拡張の特徴は、「質」の高さだ。重要なのは、拡張元のデータ、拡張先のデータで、ユーザー自身の登録による信頼性の高い日経IDを元に、日経電子版ユーザーを対象にオーディエンス拡張をかけることで、この「質」を担保している。

 日経は、「誰に」「何が」「どれくらい深く伝わったか」という3元素を、広告主と時間をかけてじっくり指標化し、確認する息の長い取り組みによって、確実に広告効果を還元したいと考えている。

新聞広告との連動事例と将来の商品

 実際に、新聞と電子版で行った広告キャンペーンの事例を紹介する。

 1つ目は、「日産自動車」の取り組みだ。日産自動車「スカイライン」は、2017年に販売開始から60周年を迎えた。

 これを機に実施したキャンペーンでは、広告主と広告会社を交え、日経でキャンペーンを実施することの目的を絞り込む作業からはじめた。その結果、「持続的なコミュニケーションを図る」「スカイラインの歴史は、挑戦の歴史であることを伝える」「『車』で反応しない人にリーチする」の3点がポイントとなった。

 最終的に「今のスカイラインを再評価する」目的を重視、「歴史」要素は排除され、「スカイライン=挑戦」をコンセプトとして企画を形にした。

 キャンペーンは、2017年1月から「挑戦者の原動力」と題した連載インタビューを実施。日経読者の特性である「勉強好き」「向上心の高さ」「知的好奇心の高さ」に訴えかけるコンテンツとして、また、持続的なコミュニケーションを行うために、ミュージシャン、アスリート、経営者、芸能人など、人選にはバラエティをもたせた。

 キャンペーンの結果、連載4回目の時点での調査では、広告への接触回数が増すごとにスカイラインに対する好感度が20ポイント以上、上昇した。また、製品イメージとして「革新的なイメージがある」という回答が2.5倍以上に増え、ブランドリフト効果が検証できた。

 2つ目は、「ヤンマー」の取り組みだ。同社は、「ヤン坊・マー坊」で知られた農機具メーカーの強い印象からの脱却をめざし「A SUSTAINABLE FUTURE」のブランドメッセージを打ち出している。そこで、キャンペーンの目的をヤンマーのいまの正しい姿を伝えることと、「最先端で革新的なテクノロジー」のイメージの構築に置いた。

 2016年3月に新聞と電子版に広告を出稿。同年7月には、新聞への純広告出稿とあわせ、電子版にはキャスターの木場弘子氏を起用し、若年層を中心とした読者へのリーチを狙った対談連載企画を開始した。

 そして、対談第3回目のタイミングでは、NIKKEI STYLE出世ナビチャンネルに連載されていた創業者の「私の履歴書」復刻版に誘導枠を配信した。さらに、タイアップの対談コンテンツは、ヤンマーのサイト「Y MEDIA」のほか、タブロイドサイズの小冊子にも利用され、会社説明会などで配布された。

 こうした施策の結果、ヤンマーのファンは3倍に増え、2回目のタイアップ終了後の調査では、「非常に好き」という回答が施策前の3倍に増え、ブランドリフト効果が得られた。さらに訴求したい企業イメージだった「優れた技術を持つ」との回答も1.8倍に増加した。

 今後、日経では「新聞広告+電子版広告」の新メニューを提供していく。「特定の1日に広く浅く発信」する新聞広告の特性と、「一定期間に深く配信」する電子版の特性を生かしつつ、両者をうまく結びつける商品と位置づけられる。

 具体的には、新聞広告掲載後に新聞閲覧者に絞った内容のバナーを電子版に配信。新聞広告のリマインドと最適配信により、広告の効果を最大化していく。

 新聞と電子版の重複利用は161万人いると推計されている。重複部分の読者が判別できれば、電子版で「新聞閲覧者」のターゲティングが行える。日経IDを保有する新聞購読者や、アンケートで「新聞を読んでいる」と回答した人、あるいは、新聞の社告イベント参加者など、様々な接点で収集したデータを整理、今年下期の商品化をめざして準備している。